たいかぶ.com

Investing in High-Tech

【台湾ハイテク株紹介】半導体後工程受託製造の世界最大手《日月光投控(ASE Technology Holding)》

今回は、OSAT世界最大手の日月光投控(ASE Technology Holding)(以下、ASEH)について紹介するで。

OSATって何ですか?

Outsourced Semiconductor Assembly and Testの略で、半導体製造の後工程における組み立てからテストまでを請け負う製造業者やな。

 

更新履歴

  • 2022年4月23日:サムネイル更新
  • 2021年7月24日:タグ更新

 

 

日月光投控(ASEH)基本データ

基本情報

銘柄コード 3711
市場 上市
会社名(中国語) 日月光投資控股股份有限公司
会社名(英語) ASE Technology Holding Co., Ltd.
本社 台湾 高雄市
設立年 2018年
時価総額

2,741.95(億TWD)*1

半導体パッケージング・テストの最大手、日月光半導体製造(ASE:Advanced Semiconductor Engineering)と矽品精密工業(SPIL:Siliconware Precision Industries)が経営統合した際に新設された持ち株会社です。

ASEHの設立は2018年ですが、前進のASEとSPILは共に1984年に設立された会社です。

傘下には

  • 日月光半導体製造(ASE)
  • 矽品精密工業(SPIL)
  • 環旭電子(USI:Universal Scientific Industrial)

が存在します。

2020年10月末時点での時価総額は2741.95億TWDです(日本円で約9900億円)。

 

ちなみに、ニューヨーク証券取引所(NYSE)にも上場しています。

ティッカーコードは「ASX」です。

事業内容

半導体の組立(パッケージング)からテストまでを請け負う会社であり、世界トップシェアです。

Appleのサプライチェーン入りしており、最近だとApple Watch Series 6用SiP(System in Package)のパッケージングとテストを行なっています。 

市場シェアは54.1%で圧倒的な市場シェア(TrendForce調べ)。

 

f:id:yu-money:20201025215027p:plain

2019年のOSAT売上高トップ25社(Yole Développementより)のランキングからもASEHが競合他社を圧倒しているのがわかります。

株価推移

f:id:yu-money:20201031230740p:plain

アップダウンが激しいです(⌒-⌒; )

60TWD辺りを底と見ると、今は買いですかね。

 

日月光投控(ASEH)業績

売上高・営業利益・営業利益率

f:id:yu-money:20201031234920p:plain

売上は右肩上がりですが、利益が付いてきていない状態です。

  • 増収減益の原因:今年発表されたR&Dセンター新設のニュースにもありますが、現在将来への投資期間だと考えるのが良いかと思います。
  • 2020年の売上:USDベースで前年比+15%増加予測(第3四半期決算資料*2より)

ASEHの売上の内訳は

  • IC ATM (IC Assembly, Testing, and Material)
  • EMS (Electronic Manufacturing Services)

が主で、IC ATMとEMSが6:4の売上比率です。

  • IC ATMの売上はBump/FC/WLP/SiPとWirebondingで約8割を占めており、アプリケーション別に見ると通信向けが5割を超えています。
  • EMSは通信とコンシューマ向けがそれぞれ4割を占めています。

EPS(1株当たり利益)

f:id:yu-money:20201031234912p:plain

  • 2020年のEPS:4.12TWD予測(第3四半期決算資料*3より)

日月光投控(ASEH)収益性

ROE・ROA

f:id:yu-money:20201031234931p:plain

 

日月光投控(ASEH)株主還元

配当金・配当性向

f:id:yu-money:20201031234906p:plain

 

まとめ

  • OSAT世界最大手日月光投控(ASEH)の市場シェアは54.1%と競合他社を圧倒
  • 半導体前行程がファウンドリ(半導体受託生産)とファブレスICデザインハウスへと専業化していったように、後工程もファブレス企業からのアウトソーシング需要が今後も増加していくと予想
  • 半導体製造ファウンドリ世界最大手のTSMCとは台湾国内同士の企業であり、製造→パッケージング→テストまでを全て台湾国内でスピーディに完結させることが可能
  • 一方、TSMCもパッケージング技術開発に力を入れてきており、競争の激化が考えられる
  • また、システム半導体はプロセスシュリンクによる(チップ単体の)パフォーマンス向上だけではなく、(Dieダイ間高速転送技術、異なるチップの単一パッケージ化等による)システム全体のパフォーマンス向上にも注力
  • つまり、パッケージング技術の高度化の未来が来る(例:3Dパッケージング) 

 

では、この辺で。

拜拜~