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【台湾ハイテク株紹介】日本企業の独断場!シリコンウエハ業界の第2位へ躍り出る《環球晶圓(GlobalWafers)》

今回はシリコンウエハ業界の現在第3位、環球晶圓(GlobalWafers)について紹介します。

この前ニュース見ましたよー。独シルトロニックを買収するんですよね。

さすがたいかぶくん。アンテナ張って半導体業界の動向に注視してるねー

 

更新履歴

  • 2022年4月23日:サムネイル更新
  • 2021年7月24日:タグ更新

 

 

環球晶圓(GlobalWafers)

基本情報

銘柄コード 6488
市場 上櫃
会社名(中国語) 環球晶圓股份有限公司
会社名(英語) GlobalWafers Co., Ltd.
本社 台灣 新竹市
設立年 2011年
時価総額 2675(億TWD)*1

 

  • 太陽光パネル向けウエハメーカー大手、中美晶(SAS:Sino-American Silicon)(5483)の子会社
  • 2011年にSASからスピンオフする形で発足
  • 2015年に上櫃に上場

冒頭の会話であったように

先日、競合他社であるドイツのシルトロニック社の買収を発表しました。

www.taiwannews.com.tw

買収が完了すると、現在第2位のSUMCOを抜いて世界首位の信越化学工業に次ぐ世界第2位のメーカーに躍り出ると言われているね。

そして実は、2016年にも同業のアメリカのサンエジソン・セミコンダクター社を買収しています。

www.nikkei.com

この業界は日本企業の独断場だったんだけど、M&Aを繰り返して大きくなったGlobalWafersが徐々にきてる感じではある。

  • 独シルトロニック買収後に、GlobalWafersが現在第2位のSUMCOを抜いて世界第2位のメーカーに躍り出る
  • 今後シリコンウエハ業界は、信越化学・GlobalWafers・SUMCOの3社で市場シェア9割を占める状態へ

事業内容

シリコンウエハの製造やソーラーウエハおよび結晶棒の提供を手掛けるウエハメーカーです。

インゴットの結晶成長工程から、スライス工程、エッチング工程、拡散工程、鏡面研磨工程、エピタキシャル成膜工程に至る完全な生産ラインを保有しています。

主な製品

  • エピタキシャルウエハ
  • 研磨ウエハ
  • エッチドウエハ
  • 超薄型ウエハ
  • ディープ拡散ウエハ
  実績 予測
  2018 2019 2020 2021 2022 2023
出荷面積
(百万平方インチ)
12,541 11,677 11,957 12,554 13,220 13,761
年成長率 8.0% -6.9% 2.4% 5.0% 5.3% 4.1%

こちらの表は、SEMI(国際半導体製造装置材料協会)による半導体向けシリコンウエハ出荷面積の年次予測です。*2

  • 2019年実績でマイナス成長だったが、それ以降(少なくとも2023年予測まで)はプラス成長継続予測

自動車関連の需要拡大も大きいかなと考えています。

株価推移

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独シルトロニック社買収発表で株価急騰して、現在(2020年12月18日)は終値612TWDです。

今後のシリコンウエハ出荷面積増加を考えると株価も右肩上がりを続けると考えられます。

買収発表前から購入候補銘柄だったのですが、この急騰を見てちょっと様子見してます。あの時すぐ買っておけばよかった感が半端ないですね(笑)

 

環球晶圓(GlobalWafers)業績

売上高・営業利益・営業利益率

まずは通年の業績推移

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次に四半期毎の業績推移

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2016年の米サンエジソン・セミコンダクター社買収を境に、売上高・営業利益を大きく伸ばしています。

今回の独シルトロニック社買収の件も来年以降の成長戦略に大きくプラスになりそうです。

EPS(1株当たり利益)

まずは通年のEPS推移

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次に四半期毎のEPS推移

f:id:yu-money:20201219013909p:plain

 

環球晶圓(GlobalWafers)収益性

ROE・ROA

まずは通年のROE・ROA推移

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次に四半期毎のROE・ROA推移

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環球晶圓(GlobalWafers)株主還元

配当金・配当性向

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配当利回り

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  • 配当性向は高いので減配の可能性に注意
  • 一方、配当利回りが良く高配当株候補として考えるのもアリ
  • 2016、2017年を除くと概ね6~7%の配当利回り

競合他社の

  • 信越化学:配当利回り1.4%、配当性向27.84%*3
  • SUMCO:配当利回り1.24%、配当性向50.48%*4

と比べるとかなりの高配当利回り、かつ高配当性向ですね。

 

ただビジネス的に考えても、シリコンウエハは今後も需要増加ですので安定的に高配当を得る期待大だと考えています。

株主還元に積極的な会社ということですね。

 

まとめ

  • 独シルトロニック買収により、GlobalWafersはシリコンウエハ業界第2位へ躍り出る
  • 今後シリコンウェハ業界は、信越化学・GlobalWafers・SUMCOの3社で市場シェア9割を占める状態へ
  • 台湾のファウンドリ企業(TSMC・UMC等)は国内サプライチェーンの強化を進めているので同国のGlobalWafersにチャンス有り
  • 高配当株の候補として考えるのもアリ

 

では、この辺で。

拜拜~

*1:2020年12月18日時点

*2:https://www.semi.org/jp/news-resources/press/20201014

*3:2020年12月18日時点

*4:2020年12月18日時点