【2020Q4決算一気読み】世界ファブレス半導体ランキングにトップ10入りする《聯發(MediaTek)・聯詠(Novatek)・瑞昱(Realtek)》
今回は台湾を代表する大手ファブレスICデザインハウス3社
聯發科技(︎MediaTek)
︎聯詠科技(Novatek Microelectronics)
瑞昱半導體(Realtek Semiconductor)
の2020Q4決算をまとめて紹介します。
この3社は世界ファブレス半導体ランキングのトップ10入りしているなど、規模の大きく有名な会社であるので3社の事業内容を紹介すると共に、2020Q4決算結果を一気に見ていこうと思います。
更新履歴
- 2022年4月23日:サムネイル更新
- 2021年7月24日:タグ更新
- 台湾を代表するファブレスICデザインハウス
- 特徴①:世界ファブレス半導体ランキングへのトップ10入り
- 特徴②:2020年の台湾ハイテク指数をアウトパフォーム
- 2020年第4四半期決算
- 2021年第1四半期見通し
- 直近3年間(2018 ~ 2020年)の業績推移(四半期毎)
- まとめ
台湾を代表するファブレスICデザインハウス
以下、台湾を代表するファブレスICデザインハウス、「MediaTek」、「Novatek」、「Realtek」の株価、時価総額と2020年の売上高です。
MediaTek | Novatek | Realtek | |
---|---|---|---|
銘柄コード | 2454 | 3034 | 2379 |
株価 | 950TWD | 479TWD | 495TWD |
時価総額 | 1兆5,000億TWD (約5兆6,000億円) |
3,000億TWD (約1兆1,000億円) |
2,500億TWD (約1兆円) |
売上高 (2020年) |
3,220億TWD (約1兆2,040億円) |
800億TWD (約3,000億円) |
780億TWD (約2,920億円) |
株価、時価総額共に2021年2月5日時点
皆さんに各社の規模感を直感的にイメージしていただくために、括弧内に日本円換算値を記載しました。1TWD=3.74JPYで計算しています。以降、全てこのレートに従います。
比較のために日本の大手ファブレスICデザインハウスの売上高(2020年3月期)を載せておきます。
- ソシオネクスト:約1,100億円(予測)
- メガチップス:約660億円
― 特別インタビュー(電子デバイス産業新聞)、投資家情報(MegaChips社HP) より
次に各社の事業について軽く紹介します。
モバイル向けSoC:聯發科技(MediaTek)
無線通信、高解像度テレビ、光ディスク 、 DVD、Blue-ray製品向けのSoCを手がけるファブレス半導体企業。
製品構成
― 2019年次報告書 より
マルチメディア向けチップセットというのは定義の広い言葉なのですが、MediaTekの手がけるチップセットは
- スマホ・タブレット向けチップセット
- Bluethooth / ワイヤレスLANチップ
- GPS、NFC等も
- スマートホーム向けSoC
- DVD / Blue-ray プレイヤー向けSoC
- 車載向けSoC
等々です。
その他カテゴリは、テクニカルサービス及びライセンス料になります。
液晶パネルドライバ:聯詠科技(Novatek Microelectronics)
通信機器、コンピューター周辺機器、LCD(液晶ディスプレイ)ドライバで使用されるICの設計を手がける企業。
製品構成
― 2019年次報告書 より
Novatekの手がけるSoCは
- 液晶ディスプレイ(TV、ノートPC、スマホ等)向けタイミングコントローラ
- イメージセンサ&信号処理
です。
簡単にまとめると、ディスプレイ周りを広範囲にカバーしている感じですね。
国別売上構成
- 台湾:41%
- アジア:58%
- その他:1%
― 2019年次報告書 より
ディスプレイ関連となればアジアの企業相手にビジネスをしていくのは必然的ですね。Samsung、LGや、日本・台湾・中国のメーカー等々。
去年「台湾50指数」の構成銘柄入りしたことからも株価の勢いを感じます。
以下、当時の記事です。
ネットワークドライバ:瑞昱半導體(Realtek Semiconductor)
通信ネットワーク、 コンピュータ周辺及びマルチメディアに関する半導体の設計開発・販売を行なっている会社です。
パソコンのオーディオドライバでカニのマークを見たことある方はいると思います。
そう、カニマークで有名なRealtekです。
― 【台湾50指数】構成銘柄入れ替え《金融2企業除外→半導体2企業追加》 - たいかぶ〜台湾株式投資による資産運用記 より
製品構成
― 2019年次報告書 より
ここの会社も色々手広くやっているICデザインハウスなので正直"IC"という一括りにされてもわかりづらいですね。
代表的な製品は
- イーサーネットコントローラ・スイッチコントローラ
- 無線LANコントローラ(PCIe/ USB2.0 / SDIO2.0 / SDCI 3.0インターフェース)
- Bluetooth5 BLE / Audio SoC
- USB type-Cコントローラ
- オーディオコーデック
- LCDコントローラ(VGA / DVI / HDMI / DPインターフェース)
- 上記インターフェースから別インターフェースへの変換器
等々です。
国別売上構成
- 台湾:50%
- アジア:50%
- その他:1%以下
― 2019年次報告書 より
RealTekもNovatek同様に去年「台湾50指数」の構成銘柄入りしました。
以下、当時の記事です。
特徴①:世界ファブレス半導体ランキングへのトップ10入り
これら3社共に世界ファブレス半導体ランキングのトップ10入りしている世界を代表する台湾のICデザインハウスです。特にMediaTekは以前から常連です。NovatekとRealtekはトップ10入りしたり、惜しくも外れたり、そんな感じでしたがここ最近は安定してトップ10入りしている印象です。まあ実際の所、出展先によって中国企業を入れていたりしてまちまちなのもあります。
以下、最新(2020年第3四半期)のファブレスICデザインハウスの売上ランキングです。
― TrendForce より
- Top 3:MediaTek
- Top 7:Realtek
- Top 8:Novatek
Nvidia($NVDA)とAMD($AMD)の成長率は言うまでもなく素晴らしいですが、台湾勢3社も前年同期比+40%を越える成長率です。
特徴②:2020年の台湾ハイテク指数をアウトパフォーム
この3社、共に台湾ハイテク指数の2020年の1年リターン(+59.16%)をアウトパフォームしました。後ほど業績推移グラフを載せますが、業績を見ても勢いがあるのがわかるかと思います。
銘柄名 | 1年リターン | 3年リターン |
---|---|---|
聯發科技 MediaTek |
+68.4% | +154% |
瑞昱半導體 Realtek |
+66.2% | +258% |
聯詠科技 |
+65.8% | +225% |
以下、引用記事です。
では次に各社の2020年第4四半期の決算を一気に見ていきたいと思います。一つの記事で3社扱い長くなるので、連結財務諸表の主要箇所のみ簡潔にまとめています。
2020年第4四半期決算
聯發科技(MediaTek)
決算資料はこちらからダウンロード可能です。
連結財務諸表(四半期)
2020Q4 | QoQ | YoY | ||
---|---|---|---|---|
売上高 | 964億TWD (約3,600億円) |
100% | -0.9% | +49.0% |
粗利益 | 429億TWD (約1,600億円) |
44.5% | -0.4% | +55.9% |
営業利益 | 154億TWD (約600億円) |
15.9% | +5.1% | +146.9% |
EPS | 9.35TWD | +11.0% | +132% |
- 前期比ではほぼ横横
- 同年前期と比べると、
- 売上高・粗利益共に約+50%成長
- 営業利益:約2.5倍
- EPS:約1.3倍
連結財務諸表(年度)
2020 | YoY | ||
---|---|---|---|
売上高 | 3,221億TWD (約1兆2,000億円) |
100% | +30.8% |
粗利益 | 1,415億TWD (約5,300億円) |
43.9% | +37.4% |
営業利益 | 432億TWD (約1,600億円) |
13.4% | +91.5% |
EPS | 26.01TWD | +77.1% |
- 売上高成長率+31%
- 営業利益率:前年比+92%
- EPS:前年比約1.8倍
聯詠科技(Novatek Microelectronics)
決算資料はこちらからダウンロード可能です。
連結財務諸表(四半期)
2020Q4 | QoQ | YoY | ||
---|---|---|---|---|
売上高 | 225億TWD (約840億円) |
100% | +2.05% | +35.87% |
粗利益 | 85億TWD (約320億円) |
38.03% | +12.65% | +60.23% |
営業利益 | 47億TWD (約180億円) |
21.15% | +11.4% | +94.42% |
EPS | 5.99TWD | +6.96% | +202% |
- 売上高:前期比では微増
- 同年前期と比べると、
- 売上高:+36%
- 粗利益:+60%
- 営業利益:約2倍
- EPS:約3倍
連結財務諸表(年度)
2020 | YoY | ||
---|---|---|---|
売上高 | 800億TWD (約3,000億円) |
100% | +24.21% |
粗利益 | 280億TWD (約1,050億円) |
34.97% | +35.62% |
営業利益 | 148億TWD (約560億円) |
18.49% | +49.91% |
EPS | 19.42TWD | +49.04% |
- 売上高成長率+24%
- 営業利益率:前年比+50%
- EPS:前年比約1.5倍
瑞昱半導體(Realtek Semiconductor)
決算資料はこちらからダウンロード可能です。
連結財務諸表(四半期)
2020Q4 | QoQ | YoY | ||
---|---|---|---|---|
売上高 | 221億TWD (約830億円) |
100% | +1.4% | +32.4% |
粗利益 | 95億TWD (約360億円) |
43.0% | +2.5% | +29.6% |
営業利益 | 27億TWD (約100億円) |
12.0% | +3.2% | +48.1% |
EPS | 5.25TWD | +% | +% |
- 売上高、利益共に前期比では微増
- 同年前期と比べると、
- 売上高・粗利益共に約+30%成長
- 営業利益:約1.5倍
- EPS:約1.3倍
連結財務諸表(年度)
2020 | YoY | ||
---|---|---|---|
売上高 | 778億TWD (約2,900億円) |
100% | +28.0% |
粗利益 | 333億TWD (約1,250億円) |
42.8% | +25.1% |
営業利益 | 86億TWD (約320億円) |
11.1% | +36.5% |
EPS | 17.24TWD | +29.0% |
- 売上高成長率+28%
- EPS:前年比+29%
2021年第1四半期見通し
聯發科技(MediaTek)
- 売上高:964 ~ 1,041億TWD → QoQ+0 ~ 8%
- 粗利益率:43.5% ± 1.5% → 2020Q4同等
聯詠科技(Novatek Microelectronics)
- 売上高:252 ~ 261億TWD → QoQ+12 ~ 16%
- 粗利益率:38 ~ 41% → QoQ+0 ~ 3Pts
- 営業利益率:22 ~ 25 % → QoQ+1 ~ 4Pts
瑞昱半導體(Realtek Semiconductor)
- なし
直近3年間(2018 ~ 2020年)の業績推移(四半期毎)
では上記2020年第4四半期の業績を追加した各社の直近3年間の四半期毎の業績を一気に見ていきます。
聯發科技(MediaTek)
売上高・営業利益
粗利益率・営業利益率
EPS
聯詠科技(Novatek Microelectronics)
売上高・営業利益
粗利益率・営業利益率
EPS
瑞昱半導體(Realtek Semiconductor)
売上高・営業利益
粗利益率・営業利益率
EPS
利益率とEPS推移のグラフついては縦軸レンジを揃えましたので比較しやすいかと思います。売上高・営業利益推移グラフについてはMediaTekと残り2社のスケールが違いすぎて縦軸レンジを揃えると見にくくなるので止めました。
各社右肩上がりで美しいな。
利益率の高さもポイントですね。
まとめ
- 台湾を代表するファブレスICデザインハウス、MediaTek、Novatek、Realtekの紹介
- 3社共に世界ファブレス半導体ランキングのトップ10入りしている世界を代表する台湾のICデザインハウス
- 3社全て、台湾ハイテク指数の2020年の1年リターン(+59.16%)をアウトパフォーム
- 3社全て、2020年の売上高成長率20%強
では、この辺で。
拜拜~
Midea / CATL / BOE / BYD等々、深圳A株の代表100社で構成する深証100指数とETF《富邦深100》
以前まとめた中国株ETFの記事を掘り下げていこうということで、今回は深証100指数について紹介します。最後に同指数に連動するETFについても紹介します。
更新履歴
- 2022年4月23日:サムネイル更新
- 2021年7月24日:タグ更新
- 深圳証券取引所
- 深圳証券取引所の代表100社で構成する指数:深証100指数
- コカコーラより時価総額が大きい:宜賓五糧液(Wuliangye Yibin)
- 中国を代表する家電メーカー:Midea Group(美的集團)
- 車載バッテリー世界最大手:CATL(寧德時代)
- ハイエンド医療分野も狙う世界最大級の住宅空調メーカー:Gree(格力電器)
- 防犯カメラ世界シェアNo.1:HIKVISION(海康威視)
- 液晶パネル世界最大手:BOE(京東方科)
- 半導体事業が近日単独上場予定。中国EV大手:BYD(比亞迪)
- 深証100指数連動型ETF:富邦深100
- まとめ
深圳証券取引所
深圳証券取引所にはA株、B株の2種類の株式が存在します。A株の決算通貨は人民元で、従来は中国国内の一般投資家と国外機関投資家が取引可能でしたが、現在は我々海外の一般投資家でも香港の証券会社経由でA株の売買が可能です。一方、B株の決算は香港ドルになっていて、かつては海外投資家のための市場となっていました。前述の通り、海外の一般投資家でもA株の購入ができるようになったので、B株の本来の目的が薄れ、取引高も減少しているとのことです。
深圳証券取引所の各市場における上場企業数と時価総額は以下のようになっています。
市場 | 上場企業数 | 時価総額(人民元) | |
---|---|---|---|
A株 | メインボード | 459 | 9兆4,870億 |
中小板 | 992 | 13兆3,938億 | |
創業板 | 884 | 10兆7,560億 | |
B株 | メインボード | 45 | 535億 |
― 東洋証券 より
「1人民元=16JPY(以降、全てこのレートで算出)」で考えると、
- A株メインボード:151兆7,920憶円
- A株中小板:214兆3,008憶円
- A株創業板:172兆0,960憶円
- B株メインボード:8,560憶円
です。
ちなみに東証一部の株式時価総額は約700兆円です。
深圳証券取引所の代表100社で構成する指数:深証100指数
深圳証券取引所に上場するA株のうち、時価総額・流動性の上位100社で構成する「深証100指数」
- ハイテク企業が多く含まれていて、「情報技術」セクターが2割超を占める。
- 広義のハイテクセクターも含めると7割を超える。
先ほど紹介した表のA株の部分ですね。
基本情報
起算日 | 2002年12月31日 |
---|---|
算出開始日 | 2006年1月24日 |
基準値 | 1,000 |
指数推移
- 2007年の上海ショック
- 2015年のチャイナショック
を経て去年2020年後半以降、最高値更新中です。
ファンダメンタルズ
以下、深証100指数のPER・PBR・ROEです。
PER | 33.37 |
---|---|
PBR | 4.73 |
ROE | 13.96% |
以下、世界各国の実績PER・PBRです。
2020年12月時点での中国のPERは17、PBRは2.3です。深圳市場はニューエコノミー色が強いですし、これらファンダメンタルズは高い傾向にありますね。上記の国別グラフで比較的近いのはインドですかね。
市場構成
以下、構成銘柄の上場先市場(メインボード、中小板、チャイネクスト)の比重になります。
- メインボードに上場する企業が32社で、これら32社の時価総額で全体の41%を占める
- 中小板は46社で、34%
- チャイネクストは22社で、25%
セクター構成
セクター構成を見ると、情報技術、生活必需品、一般消費財、ヘルスケア、資本財セクターの割合が多く(ウェイトの大きい順)、これら5セクターで全体の8割を占めています。
構成銘柄
次に構成銘柄です。一体どんな企業が指数に採用されているのか。皆さんが一番気になるところだと思います。
以下、構成銘柄トップ10です。
銘柄名 | 証券コード | セクター | 時価総額 | ウェイト |
---|---|---|---|---|
五糧液 Wuliangye Yibin |
000858 | 生活必需品 | 4,900億人民元 (7兆8,400億円) |
6.81% |
美的集團 Midea Group |
000333 | 一般消費財 | 4,600億人民元 (7兆3,600億円) |
6.41% |
寧德時代 CATL |
300750 | 工業 | 3,400億人民元 (5兆4,400億円) |
4.75% |
格力電器 Gree |
000651 | 一般消費財 | 2,800億人民元 (4兆4,800億円) |
3.96% |
立訊精密 Luxshare-ICT |
002475 | 情報通信 | 2,300億人民元 (3兆6,800億円) |
3.22% |
東方財富 EastMoney |
300059 | 金融 | 2,000億人民元 (3兆2,000億円) |
2.75% |
万科A Vanke-A |
000002 | 不動産 | 1,900億人民元 (3兆400億円) |
2.6% |
海康威視 Hikvision |
002415 | 情報通信 | 1,700億人民元 (2兆7,200億円) |
2.35% |
邁瑞醫療 Mindray |
300760 | ヘルスケア | 1,700億人民元 (2兆7,200億円) |
2.33% |
瀘州老窖 Luzhou Lao Jiao |
000568 | 生活必需品 | 1,600億人民元 (2兆5,600億円) |
2.27% |
人民元表記の時価総額は10億の桁で四捨五入
トップ10で気になる銘柄について軽く紹介したいと思います。
コカコーラより時価総額が大きい:宜賓五糧液(Wuliangye Yibin)
深圳市場で時価総額の一番大きい会社はなんと白酒メーカーで、コカコーラより時価総額が大きいとのことです。
下記引用ニュースによるとトヨタよりも大きんだとか(笑)
さらに、五糧液は茅台酒と並び評される銘酒らしく、
「茅台酒の価格、約20 年で187 倍に ぜいたく品消費の歪み反映」の見出しで、「価格は年々上がるが、供給は依然として需要に追いつかない。茅台酒、五糧液などの高級白酒は現在、中国国内で次々とその価格を上げ、市場を揺るがしている。
〔中略〕
中国で近年摘発されている大型汚職事件の押収品の中にしばしば茅台酒や五糧液が登場するわけだ。
おそるべし中国の酒造メーカー
中国を代表する家電メーカー:Midea Group(美的集團)
2016年に東芝の白物家電事業を買収ニュースが記憶に新しいかと思います。
2019年の売上高は2,800億人民元(日本円で約4兆5,000億円)です。
気になる世界シェアは
1位 サムスン 12.5%
2位 ハイアール 8.7%
3位 パナソニック 6.5%
4位 ワールプール 6.3%
5位 LG 6.0%
6位 ミディア 4.9%
― 家電業界の世界市場シェアの分析 より
車載バッテリー世界最大手:CATL(寧德時代)
2011年に設立。電気自動車やエネルギー貯蔵システムのバッテリー管理システムのリチウムイオン電池のほか、バッテリーマネジメントシステム(BMS)の製造を行っている。
〔中略〕
CATLの年間販売量は2016年のエネルギー貯蔵能力の6.8GWhに達した。同社は2020年までに50GWhのリチウムイオンの生産能力を目標としている。
2017年にはパナソニックを抜いて電気自動車用の電池メーカーで世界一となった。
― Wikipedia より
2017年に世界シェアNo.1となって以降、3年連続No.1とのことです。
2020年1~11月のEV向けバッテリー世界シェアTOP3
— たいかぶ@🇹🇼台湾株投資 (@taikabu0) January 2, 2021
1. 🇨🇳CATL: 24.2%
2. 🇰🇷LG Chem: 22.6%
3. 🇯🇵Panasonic: 19.2%https://t.co/HZS2qgYETc pic.twitter.com/6PiRmjMJoZ
下記ニュース、参考になると思います。
ハイエンド医療分野も狙う世界最大級の住宅空調メーカー:Gree(格力電器)
中国の大手家電メーカー。世界最大級の住宅空調メーカーであり、扇風機、ウォーターサーバー、ヒーター、炊飯器、空気清浄機、電気ケトル、加湿器、IHクッキングヒーターなどの家電製品メーカーでもある。
― Wikipedia より
ハイエンド医療分野への参入が気になります。
防犯カメラ世界シェアNo.1:HIKVISION(海康威視)
ネットワークカメラの世界シェアNo.1企業です。
ちなみに世界シェアNo.2は同国の「ダーファ・テクノロジー」です。この中国2社で世界シェアの約半分を占めています。
トップ10外で気になる銘柄についても軽く紹介しますね。
液晶パネル世界最大手:BOE(京東方科)
液晶・有機ELディスプレイの開発、製造、販売を行うメーカーです。
下記、液晶パネル生産能力シェアになります。液晶パネルについては、近年、中国企業の大頭が著しいです。
企業 | 2019年 | 2022年(予測) |
---|---|---|
BOE(中) | 19.7% | 28.9% |
CSOT(中) | 9.0% | 16.0% |
Innolux(台) | 13.4% | 11.5% |
AUO(台) | 11.9% | 9.9% |
HKC(中) | 2.6% | 9.1% |
LGD(韓) | 15.6% | 7.9% |
Samsung(韓) | 10.8% | - |
― ワイズコンサルティング より
韓国企業は付加価値の高い有機EL等の次世代ディスプレイ技術に投資をしていますが、BOEも有機EL、micro LED等の次世代ディスプレイに投資をしています。
更に、皆さんの関心の高いiPhone関連ニュースとしては
- iPhone12向け:品質評価合格、出荷開始か!?
- iPhone13向け:要求品質未達(2020年末時点)
という状況のようです。いずれにしても今後も注目していきたいですね。
半導体事業が近日単独上場予定。中国EV大手:BYD(比亞迪)
ここら辺のニュースが面白そうです。
深証100指数連動型ETF:富邦深100
少し長くなりましたが、最後に深証100指数に連動するETFの紹介をします。
基本情報
名称 | 富邦深証100証券投資信託ファンド |
---|---|
略称 | 富邦深100 |
銘柄コード | 00639 |
上場日 | 2015年6月9日 |
ターゲット指数 | 深証100指数 |
ファンド規模 | 19.18億TWD*1 |
単元株数 | 1,000株 |
管理費 | 0.99% |
保管費 | 0.1% |
株価推移
以下、1年・上場来のチャートです。ちなみに、年初来約+5%です。
1年チャート
上場来チャート
パフォーマンス
期間 | リターン率 |
---|---|
3ヶ月 | +18.80% |
6ヶ月 | +21.58% |
1年 | +46.08% |
2年 | +114.68% |
3年 | +43.24% |
まとめ
- 深圳証券取引所の代表100社で構成する「深証100指数」を紹介
- 深証100指数の主要な構成銘柄を紹介(一部)
- 深証100指数に連動するETF「富邦深100(00639)」を紹介
- 2021年初来リターンは+5%
では、この辺で。
拜拜~
*1:2021年2月レポートより
【2020Q4決算】半導体後工程受託製造の世界最大手《日月光投控(ASE Technology Holding)》
2/5にASEの2020Q4決算がありましたので、決算資料の中身を一緒に見ていこうと思います。
更新履歴
- 2022年4月23日:サムネイル更新
- 2021年7月24日:タグ更新
- 半導体後工程受託製造の世界最大手
- 2020年第4四半期決算
- 日月光投控(ASE Technology Holding)業績:四半期
- 日月光投控(ASE Technology Holding)業績:年度
- まとめ
半導体後工程受託製造の世界最大手
基本情報
半導体後工程受託製造の世界最大手ASEの基本情報については過去記事をどうぞ。
ADRで取引可能であることもポイントです。
米国株投資家に朗報ですね。
ちな、$ASXな。
先に株価見ておきましょうか。1年チャートです。
株価チャート
台湾市場
米国市場(ADR)
直近の2月の上昇率を見るとわかるかと思いますが、本国(台湾)とADRでギャップがあります。これは現在台湾の証券取引所が春節で休場なのが関係しています。
ほんとそれですよ〜_:(´ཀ`」 ∠):
ここ数日ADRが爆上げなのに台湾は休場なのでたいかぶの資産は増えていません_:(´ཀ`」 ∠):
$TSM も $ASX もADRが上場来最高値更新ですわ pic.twitter.com/iH7WKTZz0c
— たいかぶ@🇹🇼台湾株投資 (@taikabu0) February 11, 2021
2020年第4四半期決算
ではさっそく2020Q4の決算を見ていきましょう。
決算資料はこちらからダウンロード可能です。
読み進めるに当たっての注意点として
- EPSは「Diluted EPS」を指します。
- 台湾ドル表記だと読者が直感的に規模感をイメージすることができないため日本円換算して表記している箇所があります。全て1TWD≒3.74JPYで計算しています。
スライド3~4:連結財務諸表(四半期・年度)
連結財務諸表(四半期)
2020Q4 | QoQ | YoY | ||
---|---|---|---|---|
売上高 | 1,489億TWD (約5,570億円) |
100% | +21% | +28% |
粗利益 | 233億TWD (約870億円) |
15.7% | +18% | +17% |
営業利益 | 112億TWD (約420億円) |
7.6% | +23% | +29% |
EPS | 2.30TWD | +49% | +56% |
- 増収増益
- QoQ、YoY共に+20 ~ 30%前後
- EPSはQoQ、YoY共に+50%前後
連結財務諸表(年度)
2020 | YoY | ||
---|---|---|---|
売上高 | 4,770億TWD (約17,840億円) |
100% | +15% |
粗利益 | 780億TWD (約2,900億円) |
16.3% | +21% |
営業利益 | 349億TWD (約1,300億円) |
7.3% | +48% |
EPS | 6.31TWD | +63% |
- 2020年全体で見ても増収増益
- 営業利益はYoYで+48%
- EPSはYoYで+63%
決算資料の連結財務諸表をもとに、売上高/売上原価/営業費用/営業利益を損益計算書にまとめました。
損益計算書(四半期)
損益計算書(年度)
【グラフの見方】
各社各年度の売上高(■)を100%として、売上原価(■)・研究開発費(■)・販売費及び一般管理費(■)・営業利益(■)が売上高に占める割合を表しています。又、各項目の数値はその項目の収入(もしくは費用)の絶対値です。
グラフ化した方が直感的にわかりやすいですね。
ASEは大きく
- ATM (Assembly, Testing and Material)
- EMS (Electronics Manufacturing Services)
の2つの事業に分けられます。以降は各事業の決算内容に移ります。
スライド5~6:ATM事業の財務諸表(四半期・年度)
財務諸表(四半期)
2020Q4 | QoQ | YoY | ||
---|---|---|---|---|
売上高 | 728億TWD (約2,700億円) |
100% | +1% | +5% |
粗利益 | 165億TWD (約600億円) |
22.6% | +13% | +5% |
営業利益 | 80億TWD (約300億円) |
11.0% | +18% | +9% |
財務諸表(年度)
2020 | YoY | ||
---|---|---|---|
売上高 | 2,803億TWD (約10,500億円) |
100% | +12% |
粗利益 | 594億TWD (約2,200億円) |
21.2% | +19% |
営業利益 | 276億TWD (約1,000億円) |
9.8% | +45% |
スライド7:ATM事業の営業利益推移
- 売上高、営業利益率共に右肩上がり
スライド8:ATM事業のアプリケーション別売上占有率
- 通信向けが過半数を占め、次に車載/コンシューマー向け、そしてコンピューティングの順
- 直近2年間でアプリケーション別売上割合に大きな変化はなし
スライド9:ATM事業のタイプ別売上占有率
- アセンブリの売上高比率が高く全体の約8割を占める
- アセンブリの中でもワイヤー・ボンディングとBump / FC(Flip Chip) / WLP (Wafer Level Packaging) / SiP (System in a Package)が大きい割合を占めている
- こちらも直近2年間で大きな変化はなし
軽く言葉だけで説明しておくと、
ワイヤー・ボンディング:半導体チップのアルミ電極とリード電極を接続する線をボンディングワイヤと言い、このボンディングワイヤを接続する方法のこと
FC (Flip Chip):ワイヤ・ボンディングのようにワイヤに使用して接続する方法ではなく、バンプによって接続する方法。
WLP (Wafer Level Packaging):ウエハの状態でパッケージングを行い、最終的に切断してパッケージングする技術のこと
SiP (System in Package):複数の半導体チップやはんだ付け部品を一つのパッケージ内に収めたパッケージのこと
なんとなくわかったようなわかっていないような( ͡° ͜ʖ ͡°)
言葉だけの説明だとイメージしづらいですよね。いずれ技術的な内容の記事も作ってみようと思います。
スライド10:EMS事業の財務諸表(四半期・年度)
財務諸表(四半期)
2020Q4 | QoQ | YoY | ||
---|---|---|---|---|
売上高 | 791億TWD (約3,000億円) |
100% | +49% | +62% |
粗利益 | 70億TWD (約260億円) |
8.8% | +36% | +62% |
営業利益 | 35億TWD (約130億円) |
4.4% | +49% | +123% |
財務諸表(年度)
2020 | YoY | ||
---|---|---|---|
売上高 | 2,047億TWD (約7,700億円) |
100% | +23% |
粗利益 | 189億TWD (約700億円) |
9.2% | +29% |
営業利益 | 78億TWD (約300億円) |
3.8% | +59% |
スライド11:EMS事業のアプリケーション別売上占有率
スライド12:貸借対照表
- 資産:5,839億TWD(日本円で約21,900億円)
- 負債:3,496億TWD(日本円で約13,100億円)
- 純資産:2,343億TWD(日本円で約8,800億円)
スライド13:設備投資 vs EBITDA
スライド14:2020年のビジネス振り返り
全体
- ATM事業の回復
- キャパは依然としてタイト
- ワイヤー・ボンディングは2021年通してショーテージ(予測)
設備投資
- 2020年:17億USD
- 2021年:2020年を上回る
SiPビジネス
- YoYで+50%成長
- 目標の1億USDに対して3.86億USDに増収だった
- 2021年も引き続きプラス成長
スライド15:2021年のビジネス見通し
グループ全体
- 売上高:2021Q1においても引き続き増収
- 営業利益率:改善を図る(1.5 ~ 2ポイントアップを目標)
- ロジックIC市場における2021年の成長率は+5 ~ 10%
ATM事業
- 2020Q4同様に強い
- 年成長率:ロジックIC市場の成長率の2倍予測(USドル建て)
EMS事業
- 年成長率:ATM事業よりも高い成長率予測
- 営業利益率:4%目標
スライド16:財務のハイライト
営業費用・利益
- 2020年の営業費用比率:9.0%(目標の9.4%より良)
- 2021年の営業費用比率:2020年同様を目標としている
- 2020年の営業利益率:7.3%(目標より良)
- 為替の影響を考慮しない場合の営業利益率は9.2%であった(2019年と比べて3.5ポイントアップ)
- 2021年の営業利益率:2020年と比べて1.5 ~ 2ポイントの改善を図る
設備投資
- 2021年の設備投資費用:良好なビジネス環境により設備投資費を上げる
配当
- 1株あたりの現金配当を3TWDから4TWDを超えない範囲で上げる
増配キターーーーーーーー
ちなみに2019年度(2020年振込)の配当金は2TWDでした。
スライド17:2021年第1四半期見通し
ATM事業
- 売上高(USドル建て):2020Q4と同等
- 粗利益率:2020Q4と同等
EMS事業
- 売上高(USドル建て):2020Q3と同等
- 営業利益率:2020年より若干下がる
では以上を踏まえて、前回記事を更新した推移グラフを載せていきます。
日月光投控(ASE Technology Holding)業績:四半期
売上高・営業利益
粗利益率・営業利益率
EPS
日月光投控(ASE Technology Holding)業績:年度
売上高・営業利益
粗利益率・営業利益率
EPS
まとめ
- 2020Q4の売上高は前期比+21%、前年同期比+28%
- 2020年全体の売上高は前年比+15%、更に営業利益は前年比+48%
- 2021Q1も引き続き増収予測
- 事業ごとに見ると
- ATM事業の2021Q1売上高(USドル建て)は2020Q4と同等
- EMS事業の2021Q1売上高(USドル建て)は2020Q3と同等
では、この辺で。
拜拜~
【2020Q4決算】化合物半導体(GaAs)ファウンドリの世界最大手《穩懋半導體(WIN Semiconductors)》
2/3にWIN Semiの2020Q4決算がありました。今回は決算プレゼン資料を見ていこうと思います。
更新履歴
- 2022年4月23日:サムネイル更新
- 2021年7月24日:タグ更新
- 化合物半導体ファウンドリの世界最大手
- 2020年第4四半期決算
- 穩懋半導體(WIN Semiconductors)業績:四半期
- 穩懋半導體(WIN Semiconductors)業績:年度
- 穩懋半導體(WIN Semiconductors)株価
- 追加情報
- まとめ
化合物半導体ファウンドリの世界最大手
基本情報
化合物半導体ファウンドリの世界最大手WIN Semiconductorsの基本情報については過去記事をどうぞ。
2020年第4四半期決算
ではさっそく2020Q4の決算を見ていきましょう。
決算資料はこちらからダウンロード可能です。
スライド3~6:2020年第4四半期決算要約
2020Q4の売上高、利益率、収益性、キャッシュフローの要約
売上高、利益率
- 売上高:68.61億TWD(日本円で約260億円)(前期比:+4%、前年同期比:-1%)
- 粗利益率:35%(前期比で8.4ポイント減少)
- 営業利益率:24.3%(前期比で8.4ポイント減少)
- 利益率減少の要因:製品構成変更と台湾ドル・米国ドル間の為替
収益性
- 純利益:12.76億TWD(日本円で約50億円)(前期比:-32%、前年同期比:-27%)
- EPS:3.07TWD
キャッシュフロー
- CAPEX(設備投資):前期(2020Q3)より増えたが、FCF(フリー・キャッシュフロー)は微増
- 有利子負債:引き続き増えているが、自己資本比率は前期(2020Q3)と同じ
スライド7:製品構成
- 前期比で「Cellular」割合増加
- 対して「Infra」割合減少
スライド8:2021年第1四半期業績予測
- 売上高:前期比で約12%減少
- 粗利益率:35%付近(前期同様の粗利益率)
こちらについては後半で再度触れます。
スライド9~13:財務諸表
売上高/売上原価/営業費用/営業利益を損益計算書にまとめました。他の項目・数値についてはソースの決算資料を参照ください。
損益計算書(四半期)
単位:億TWD(1TWD≒3.74JPY)
損益計算書(年度)
単位:億TWD(1TWD≒3.74JPY)
【グラフの見方】
各社各年度の売上高(■)を100%として、売上原価(■)・営業費用(■)・営業利益(■)が売上高に占める割合を表しています。又、各項目の数値はその項目の収入(もしくは費用)の絶対値です。
スライド15:その他営業成績
- 2020年の売上高は過去最高益を記録
- 主要製品の売上高は全てプラス成長し、Celluar・Optics・Infraの成長率は20%以上
- 台湾南部に新製造拠点
- DJSI (Dow Jones Sustainability Index)世界指数に採用
台湾南部の新製造拠点については前回記事にニュースを引用しています。
地味にESG銘柄という。。。。
スライド16:成長性
WIN Semiの成長優位性を世界半導体市場とGaAs市場との比較で示しています。
- WIN Semiは前年比+25%で成長し、GaAsデバイス市場の+2.2%、世界半導体市場の+7.3%を大きく上回る成長を達成
- WIN Semiの売上高はGaAsデバイス市場全体の約11%に相当
では以上を踏まえて、前回記事を更新した推移グラフを載せていきます。
穩懋半導體(WIN Semiconductors)業績:四半期
売上高・営業利益
粗利益率・営業利益率
EPS(1株当たり利益)
穩懋半導體(WIN Semiconductors)業績:年度
売上高・営業利益
粗利益率・営業利益率
EPS(1株当たり利益)
穩懋半導體(WIN Semiconductors)株価
最後に直近の株価チャートを見ておきましょう。
前回WIN Semiについて取り上げたのが12月後半で、それから株価が上昇しました。その後、1月末の市場全体の急落を経て、最後は2021Q1のガイダンスを受けて株価が一層下落しましたね、、、、
WIN Semi逝った、、、、👼👼👼
— たいかぶ@🇹🇼台湾株投資 (@taikabu0) February 4, 2021
8%強下落🥲 pic.twitter.com/79WtIBTk4C
WIN Semi今日も下落してて、日足チャートで60日移動平均線を割り込みそう、、、
— たいかぶ@🇹🇼台湾株投資 (@taikabu0) February 5, 2021
買いたいけど割り込みの有無を見てから買った方がいいっすよね🐻❄️待つの苦手や
追加情報
- 2020Q4業績:ファブの年次メンテナンスによるウエハ出荷数の減少により売上高へ影響があった
- WIN Semiが出荷したスマホ向けパワーアンプの内、20%が5G対応スマホに搭載された
- 2021年には、この割合が30 ~ 40%になると予測
- 5G基地向けGaNウエハの成長に強気な姿勢
- 製造キャパ拡大(月産5,000枚)
まとめ
- WIN Semiは営業利益率30%台の高収益体質な半導体ファウンドリ
- 2020Q4の売上高は前期比で+4%だったが、利益率は減少
- 2020年全体の売上高は過去最高を記録
- 2021Q1は減収予測
では、この辺で。
拜拜~
UMCの好決算は値上げに起因?台湾2大ファウンドリの財務諸表を比較《台積電(TSMC)・聯電(UMC)》
台湾のファウンドリ企業、UMCの2020年第4四半期決算発表が先週あったのですが、たいかぶくんはチェックしました?
見ましたよ。
$UMCの2020Q4決算
— たいかぶ@🇹🇼台湾株投資 (@taikabu0) January 27, 2021
☑︎売上高:453億TWD = 16億USD
(前期比+0.9%、前年同期比+7.6%)
☑︎営業利益:56億TWD = 2億USD
(前期比-21.3%、前年同期比+278%)
☑︎EPS:0.92TWD(前期比+0.17)
営業利益の前年比がすごい。。。。🐻❄️ pic.twitter.com/nWBEDgQXOZ
利益率がかなり上がっていたという印象でしたね。
確かにそうですね。製造ラインはフル稼働。更に半導体特需による値上げもあり、良い決算だったのではないかと思います。
今回は世界を代表する台湾のファウンドリ、TSMCとUMCの財務諸表を比較して、ぶっちゃけUMCの業績ってどうなの?というのをやってみたいと思います。
更新履歴
- 2022年4月23日:サムネイル更新
- 2021年7月24日:タグ更新
台湾の2大ファウンドリ
まずは、台湾の2大ファウンドリである台積電(TSMC)と聯電(UMC)の時価総額、売上高と世界市場シェアを簡単に見ておきましょう。
TSMC | UMC | |
---|---|---|
銘柄コード | 2330 | 2303 |
時価総額 | 15兆TWD (約60兆円) |
6,200億TWD (約2.3兆円) |
売上高 (2020年) |
1兆3,393億TWD (約5兆円) |
1,768億TWD (約6,600億円) |
市場シェア (2020Q4) |
55.6% | 6.9% |
皆さんに各社の規模感を直感的にイメージしていただくために、括弧内に日本円換算値を記載しました。1TWD=3.71JPYで計算しています。
ちなみに両会社ともADRによる取引が可能です。ティッカーシンボルは
- TSMC:$TSM
- UMC:$UMC
です。
以下、関連記事です。
半導体ファウンドリ世界市場シェア
次に最新の半導体ファウンドリの世界市場シェアを見ておきましょう。2020年第4四半期の売上高ランキングとマーケットシェアです。
― TrendForce より
TSMCの市場シェアが55.6%となっており、第2位にSamsung、3位UMC、4位GlobalFoundriesと続きます。
ではここからTSMCとUMCの財務諸表を比べていきます。
比較①:2020年第4四半期決算
両社の売上高と利益の絶対値を比較してもしょうがないので、同年前期比及び前年(2019年)に対する増減を比較したいと思います。
TSMC
前期比 | 前年比 | |
---|---|---|
売上高 | +1.4% | +25.2% |
営業利益 | +4.7% | +52.1% |
純利益 | +4.0% | +50.0% |
UMC
前期比 | 前年比 | |
---|---|---|
売上高 | +0.9% | +19.3% |
営業利益 | -21.3% | +369.3% |
純利益 | +20.3% | +343.5% |
半導体特需により半導体製造ラインはフル稼働と聞いていたので、大幅な増収増益ですね。
利益が特に大きく増加しているところを見る限り、委託製造料金の値上げによるものだと考えられますよね。
UMCの2020年前年比利益率えぐいな。
比較②:損益計算書
以下、TSMCとUMCの過去3年分の損益計算書になります。
TSMC
単位:億TWD(1TWD≒3.71JPY)
UMC
単位:億TWD(1TWD≒3.71JPY)
【グラフの見方】
各社各年度の売上高(■)を100%として、売上原価(■)・研究開発費(■)・販売費及び一般管理費(■)・営業利益(■)が売上高に占める割合を表しています。又、各項目の数値はその項目の収入(もしくは費用)の絶対値です。
つまり、TSMCの2020年は
■売上高:13,393億TWD
■売上原価:6,281億TWD
■研究開発費:1,095億TWD
■販売費及び一般管理費:356億TWD
■営業利益:5,668億TWD
と読めて、更に各項目が売上高に占める割合として
■売上原価は売上高の46.9%を占めていて
■研究開発費:8.2%
■販売費及び一般管理費:2.6%
■営業利益:42.3%(= 営業利益率)
ということですね。
粗利・営業利益率
上記の損益計算書より、過去3年分の粗利・営業利益率はざっくりと以下のようになっていると言えますね。
- 粗利益率(■■■):TSMC(50%前後)、UMC(15%前後)
- 営業利益率(■):TSMC(40%前後)、UMC(3%前後)
UMCの例年の粗利益率を約15%、営業利益率を約3%としましたが、2020年は利益率が大きく上がり、粗利益率は22%、営業利益率は12.5%です。
ここまで利益率に差があると、TSMCの利益率が異常に高いのか、UMCの利益率が低いのかどっちなのかわからないです。
TSMCの利益率えぐいな。
研究開発費
- TSMC:1,095億TWD(日本円で約4,000億円)
- UMC:129億TWD(日本円で約500億円)
- 売上高に対するR&D費用の割合は共に8%前後
比較③:企業の成長性
売上高推移(1998 ~ 2020年)
【グラフの見方】
各社の1998年の売上高を1として、各年度の売上高が基準点(1998年の売上高)に対して何倍になっているかを表します。
1998年~2020年の22年間で
- TSMCの売上高は約25倍へ成長
- UMCの売上高は約10倍へ成長
粗利益率・営業利益率推移(1998 ~ 2020年)
- TSMCの粗利益率、営業利益率は共に30 ~ 50%のレンジで推移
- UMCの粗利益率、営業利益率は共に0 ~ 20%のレンジで推移
EPS推移(1998 ~ 2020年)
売上高、粗利益率・営業利益率、EPSの過去22年間の推移を比較しましたが、改めてTSMCの成長率はすごいですね。
売上高推移を見ると、2007年辺りまでは両企業共に似たような増収率になっています。リーマンショック後に差をつけられてますね。
UMCにスポット当てていくつもりが、結局TSMCの成長具合えぐい。という内容になってる、、、、
まとめ
- 台湾を代表する半導体製造ファウンドリ、TSMCとUMCの財務諸表を比較しました。
- TSMCは利益率が高く、粗利益率がおおよそ50%前後、営業利益率が40%前後を推移
- 対してUMCは、粗利益率が15%前後、営業利益率3%前後を推移
- 企業の成長度合いとして売上高を見ると、
- TSMCは1998年→2020年で売上高が約25倍へ成長
- UMCは1998年→2020年で売上高が約10倍へ成長
では、この辺で。
拜拜~
【資産運用報告】【2021年1月】
こんにちは、たいかぶ(@taikabu0)です。
今月は株式市場がジェットコースターでして……
まずは1月前半のこれ!✌︎('ω'✌︎ )✌︎('ω')✌︎( ✌︎'ω')✌︎
含み益100万突破から2週間後の現在、含み益は180万円に🐻❄️
— たいかぶ@🇹🇼台湾株投資 (@taikabu0) January 21, 2021
福利の効果はすごいですね🐻❄️
倍々ゲームのように増えていく https://t.co/256N4G3RHw
からの
最終週はこれ!
昨日と今日で40万円ぐらい含み益減ってて草 pic.twitter.com/KfDihlkO4U
— たいかぶ@🇹🇼台湾株投資 (@taikabu0) January 26, 2021
たいかぶ完全に死亡👶
ほんとそれです/(^o^)\オワタ
まあたとえ成績が悪かろうが運用報告はしてもらうで。
更新履歴
- 2022年4月23日:サムネイル更新
- 2021年7月24日:タグ更新
2021年1月末現在のポートフォリオ
まずは比較のために前回(2020年12月末時点)のポートフォリオです。
そして2021年1月末時点でのポートフォリオです。
変化がないように見える?
SOX ETFをポートフォリオに組み込んだだけですね。
- 国泰費城半導体(フィラデルフィア半導体株指数連動型ETF)をPFに組み込みました
2021年1月末現在のパフォーマンス
個別株
銘柄名 | 銘柄 コード |
保有 数量 |
取得額 (TWD) |
評価額 (TWD) |
評価 損益率 |
---|---|---|---|---|---|
台積電 TSMC |
2331 | 1,350 (±0) |
429.58 | 591 | +36.97% (+14.14 pt) |
日月光投控 ASE |
3711 | 2,000 (±0) |
66.9 | 92.0 | +36.91% (+15.92 pt) |
神盾 EgisTec |
6462 | 300 (±0) |
161.73 | 151.0 | -7.04% (-12.92 pt) |
括弧は先月比
ETF
銘柄名 | 銘柄 コード |
保有 数量 |
取得額 (TWD) |
評価額 (TWD) |
評価 損益率 |
---|---|---|---|---|---|
富邦科技 台湾ハイテク ETF |
0052 | 1,000 (±0) |
80.28 | 122.15 | +51.79% (+22.134 pt) |
富邦NASDAQ NASDAQ-100 ETF |
00662 | 6,000 (±0) |
43.46 | 46.54 | +7.08% (+0.5 pt) |
富邦深100 深証100 ETF |
00639 | 2,000 (±0) |
14.3 | 17.63 | +22.96% (+6.83 pt) |
中信中國50 MSCI China Free 50 ETF |
00752 | 6,000 (±0) |
30.17 | 32.56 | +7.66% (10.28 pt) |
国泰費城半導体 SOX ETF |
00830 | 1,000 (+1,000) |
25.79 | 25.66 | -0.73 (±0 pt) |
括弧は先月比
ポートフォリオ全体の評価損益率
以下、月末時点の運用額に対する評価損益額の割合です。
- 前月末(12月末):+16%
- 今月末(1月末):+25.45%
先月比+10ポイントアップ着地でした( ◠‿◠ )
最終週での連日の急落を経てのこの成績なら、まあええ感じなんちゃう?
狼狽売りはせず握り続けました(☝︎ ՞ਊ ՞)☝︎
半導体株の勢いが止まらない???
ポートフォリオの評価損益先月比見てわかるかと思いますが、台湾勢のパフォーマンスが本当に良いんです。
- 台積電(TSMC):+36.97%(先月比14ポイント上昇)
- 日月光(ASE):+36.91%(先月比16ポイント上昇)
- 富邦科技(台湾ハイテク ETF): +51.79%(先月比22ポイント上昇)
1月最終週の急落を経ても、尚このパフォーマンス。
まあ、神盾(EgisTec)の-7.04%もあるんですけどね(笑)
EgisTecは小型グロース株なので短期の評価損には目をつぶります(笑)
勢いが良いと言いましたが、1月終盤の世界全体の株式市場急落でちょっとヒヤヒヤです。
TSMC、直近最高値の679TWDから633TWDへ絶賛急落中👼👼👼
— たいかぶ@🇹🇼台湾株投資 (@taikabu0) January 25, 2021
7%ぐらい下がってる
このツイートから更に下落してて、1/29の終値で600TWDを割ってました/(^o^)\
2月はどうなるのやら…
中国株ETFの行方は?
たいかぶは中国株ETFを2つ保有しています。
- 香港市場に上場している中国株とADRで構成するETF=MSCI China Free 50 ETF
と
- 深圳市場に上場している中国A株で構成するETF=深証100 ETF
です。
1月のサマリーは
MSCI China Free 50 ETFはプラス転換
去年末時点で含み損だったMSCI China Free 50 ETFですが、遂に含み益に転換しました。パチパチ
ADRの締め出しは今後も続きそうなので、しばらくは静観します。
いっそのことハンセンテックETFに切り替えようかなあと密かに考え中です。
深証100 ETFは相変わらず好調
去年初頭からコツコツ買い続けていた深圳100 ETF、3月のコロナショック時も大きく下げることはなく、2020年終わりまで上昇し続けてくれました(途中で9割近く売って利食いしましたが(笑))。
2021年1月もゆっくりですが上昇してくれました。
国内市場の深証100 ETFはH株・ADR系列と動きが異なることがあるので、注視して引き続き買い増していこうと思っています。
A/B株とH株・ADRの両方保有はアリよりのアリだと思います。
中国株ETFの紹介については過去記事をどうぞ。
取引した銘柄
新規購入
- 国泰費城半導体(フィラデルフィア半導体株指数連動型ETF):1,000株
たいかぶ今月全然取引してへんやん。
バレましたか。SOX ETFを1,000株購入しただけで、後は寝ているだけの一ヵ月でした。
SOX ETFについては過去記事をどうぞ。
小言
- 個別ハイテク株のWIN Semiconductors(穩懋半導體)を買いたくて買いたくてソワソワ中
Win Semiに買い注文入れてたけど買えなかった。
— たいかぶ@🇹🇼台湾株投資 (@taikabu0) January 11, 2021
今見たらスト高直前……
ジャンピングキャッチマンになってもいいですかね? pic.twitter.com/aVcABboHXE
WIN Semiconductors(穩懋半導體)については過去記事をどうぞ。
では、この辺で。
拜拜~
Hしかしてないの?A・Bもどう?《台湾の証券取引所に上場している中国株ETF》
ちょっとタイトルに釣り要素がある気がするんですけど、、、、
どこがや?H、A、Bとくれば…紛れもなく中国・香港株のことやろ
いやまあそうなんですけど、、、、
今回は台湾の証券取引所に上場している中国株ETFの紹介をします。中国市場の指数についてもまとめているので台湾の証券取引所で取引をしていない方にも為になる内容となっています。
更新履歴
- 2022年4月23日:サムネイル更新
- 2021年7月24日:タグ更新
台湾の証券取引所に上場している中国株ETF一覧
台湾の証券取引所で取引をしていない方はこの章はすっ飛ばして、次章の中国株ETF紹介から読んでいただければと思います。
ETF名 | 証券 コード |
ターゲット指数 | 管理費 +保管費 |
ファンド規模 (億TWD) |
---|---|---|---|---|
元大上證50 | 006206 | 上証50指数 SSE 50 Index |
0.60 ~ 1.09% |
20.10 |
富邦上証 | 006205 | 上証180指数 SSE 180 Index |
1.09% | 55.15 |
富邦深100 | 00639 | 深証100指数 SZSE 100 Index |
1.09% | 18.64 |
群益深証中小 | 00643 | 深証中小板指数 SME Index |
1.08% | 18.79 |
元大寶滬深 | 0061 | 滬深300指数 CSI 300 Index |
0.40% | 37.27 |
FH滬深 | 006207 | 滬深300指数 CSI 300 Index |
0.85% | 15.13 |
富邦中証500 | 00783 | CSI 500中小型株指数 CSI 500 Index |
1.09% | 3.60 |
国泰中国A50 | 00636 |
富時中国A50指数 |
0.75 ~ 1.05% |
35.02 |
国泰中国A150 | 00743 | 富時中国A150指数 FTSE China A150 Index |
1.00% | 1.26 |
台新MSCI中国 | 00703 | MSCI中国指数 MSCI China Index |
1.10% | 4.98 |
元大MSCI A股 | 00739 | MSCI中国ストック・コネ クトA株指数 MSCI China A Inclusion Index |
0.60 ~ 0.80% |
13.40 |
中信中国50 | 00752 |
MSCI中国外資自由投資 |
1.17% | 25.65 |
レバレッジETFは除く
- 上海市場ETF:元大上證50(006206)、富邦上証(006205)
- 深圳市場ETF:富邦深100(00639)、群益深証中小(00643)
- 上海+深圳市場ETF:元大寶滬深(0061)、FH滬深(006207)、富邦中証500(00783)、国泰中国A50(00636)、国泰中国A150(00743)
- 中国全土ETF:台新MSCI中国(00703)、元大MSCI A股(00739)、中信中国50(00752)
- バイドゥ、アリババ、テンセントを含むETF:台新MSCI中国(00703)、中信中国50(00752)
では今から各ETFのターゲットとなる指数の紹介をしていきます。
これから載せるデータ(構成銘柄、セクター構成等)は全て2020年12月末運用レポートを参照先としています。
上海市場
上証50指数(SSE 50 Index)
上海総合指数は上海証券取引所に上場する全ての株(A・B株)で構成される指数ですが、「上証50指数」は、同証券取引所の流動性の高いA株上位50銘柄で構成する指数です。
次に上証50指数の構成銘柄トップ10とセクター構成を紹介します。
構成銘柄トップ10
セクター構成
セクター構成を見ると、金融セクターが約4割を占めています。上海は中国において金融街として位置付けをされていることは既知かと思います。構成銘柄トップ10を見ると、中國平安、招商銀行、興業銀行、中信證券の4社がランクインしています。
次にウェイトが大きいセクターは生活必需品で、構成銘柄トップ10にランクインしているのは、貴州茅臺、中國中免の2社です。
上証180指数(SSE 180 Index)
同証券取引所の流動性の高いA株上位180銘柄で構成する指数です。
本指数の構成銘柄トップ10とセクター構成を紹介します。
構成銘柄
セクター構成
構成数を180銘柄としている本指数は、上証50指数と比較して資本財セクターの割合が増えていることが特徴的です。
深圳市場
深証100指数(SZSE 100 Index)
深圳証券取引所に上場するA株のうち、流動性の高い上位100銘柄で構成する指数です。
本指数の構成銘柄トップ10、セクター構成及び市場構成を紹介します。
構成銘柄
セクター構成
市場構成
本指数に採用されている銘柄の上場先市場の構成を見ると、チャイネクスト市場の占有率が他の2市場(メインボード、中小板)に比べて少し低いですが、ざっくり均等に占有していると考えて良いかと思います。
次にセクター構成を見ると、情報技術、生活必需品、一般消費財、ヘルスケア、資本財セクターの割合が多く(ウェイトの大きい順)、これら5セクターで全体の8割を占めています。構成銘柄トップ10の企業でこれらセクターに属してる企業は
- 情報技術:立訊精密(Luxshare-ICT)、海康威視(Hikvision)
- 生活必需品:五糧液(Wuliangye)、瀘州老窖(Luzhou Lao Jiao)
- 一般消費財:美的集團(Midea Group)、格力電器(Gree)
- ヘルスケア:邁瑞醫療(Mindray)
- 資本財:寧德時代(CATL)
になります。
深証中小板指数(SME Index)
深圳証券取引所の中小企業ボードに上場するA株のうち、流動性の高い上位100銘柄で構成し、中国の中小型成長株を代表する指数です。
本指数の構成銘柄トップ10、セクター構成及び市場構成を紹介します。
構成銘柄
セクター構成
市場構成
情報技術セクターが約4割を占めていて、トップ10企業では立訊精密(Luxshare-ICT)、海康威視(Hikvision)、歌爾聲學(Goertek)が該当します。
深圳証券取引所に上場するA株の上位100銘柄で構成する深証100指数よりニューエコノミー色の強い指数になっています。
上海+深圳市場
滬深300指数(CSI 300 Index)
上海証券取引所と深圳証券取引所で取引されているA株の上位300銘柄で構成する指数です。
滬深300指数の構成銘柄トップ10、セクター構成及び市場構成を紹介します。
構成銘柄
セクター構成
市場構成
市場構成を見ると、上海市場銘柄が全体の6割を占めていることがわかります。セクター構成から見ても、金融セクターが一番大きいです。
- 上海の金融
- 深圳の生活必需品、ヘルスケア、情報技術、資本財、一般消費財
各々の市場の特徴が混ざり合っていますよね。
CSI 500中小型株指数(CSI 500 Index)
両証券取引所で取引されているA株の上位300銘柄を除く、上位500銘柄で構成する指数です。
次にCSI 500中小型株指数の構成銘柄トップ10、セクター構成及び市場構成を紹介します。
構成銘柄
セクター構成
市場構成
上位300銘柄を除く上位500銘柄で構成する本指数は先ほどのCSI 300指数と特徴が多く変わりました。
CSI 300指数の市場構成とは対照的に、CSI 500中小型株指数の市場構成は深圳市場銘柄が半分以上を占めていることがわかります。セクター構成を見ると、金融セクターの割合が相対的に小さくなっており、資本財、素材セクターの割合がかなり大きくなっています。深圳市場は中小銘柄がかなり多いということですね。
富時中国A50指数(FTSE China A50 Index)
FTSE社が算出する上海証券取引所及び深圳証券取引所に上場するA株の主要50銘柄で構成する指数です。
次にFTSE中国A50指数の構成銘柄トップ5とセクター構成を紹介します。
構成銘柄
セクター構成
FTSE社が運用する指数はICB(Industry Classification Benchmark、業種分類ベンチマーク)に基づいています。後述する「富時中国A150指数(FTSE China A150 Index)」も同様です。
セクター構成を見ると、金融、消費財セクターの割合がかなり大きく、この2セクターで全体の約8割を占めています。
前述したCSI 300指数と比べて金融セクターの比重が大きいことから、両市場の上場企業を上から並べていくと、金融関連企業が上位勢を占めているということです。近年のイケイケテック系企業(アリババ、テンセント等)を除いた場合の中国市場は依然として金融セクター色が濃いということですね。
無論これまで紹介した指数にはアリババ等の巨大テック企業は採用されていません。
富時中国A150指数(FTSE China A150 Index)
A株の上位50銘柄を除いた上位第51位から第200位の銘柄で構成する指数です。こちらもFTSE Russellにより算出されています。
次にFTSE中国A150指数の構成銘柄トップ10とセクター構成を紹介します。
構成銘柄
セクター構成
CSI 300指数とCSI 500中小型株指数の比較時同様の傾向が見られます。金融、消費財セクターの割合が相対的に小さくなり、対照的に資本財、テクノロジーセクターの割合が大きく成長しています。
中国全土
MSCI中国指数(MSCI China Index)
MSCI社が算出する指数で、香港証券取引所上場の中国株(H株、レッドチップ及びP株)、上海証券取引所、深圳証券取引所上場の中国A/B株、及び中国ADRで構成されています。
構成銘柄
セクター構成
ついにイケイケテック企業たちが現れましたね( ・∇・)
- アリババ、テンセントの割合がそれぞれ14%、13%
- 将来期待のJD.com、PINDUODUOもトップ10にランクイン
- NIOも採用
金融、生活必需品、一般消費財セクターの割合はかなり小さくなり、通信サービスと一般消費財セクターが大部分を占有するようになりました。
MSCI中国ストック・コネクトA株指数(MSCI China A Inclusion Index)
MSCIエマージング・マーケット・インデックス(MSCI Emerging Markets Index)の中国A株から選定した指数です。こちらもMSCI社により算出されています。
構成銘柄
セクター構成
CSI 500中小型株指数のセクター構成と近い比重ですね。
MSCI中国外資自由投資50指数(A・B株を除く)(MSCI China Free 50 ex A&B Shares Index)
米国市場に上場する中国ADRと香港市場に上場するH株から構成される指数です。
構成銘柄
先ほどのMSCI中国指数と比べて、トップ10企業のみで指数全体の約7割を占めるようになりました。構成数が少ないのが要因で、アリババ、テンセントの割合はそれぞれ約20%へ拡大しています。
まあ、今を時めくイケイケ中国企業へ効率よく投資できるわな。
各指数のまとめ
各指数の上位銘柄比較
指数名 | 構成銘柄トップ3 |
---|---|
上証50指数 SSE 50 Index |
貴州茅臺(13%)、中國平安(12%)、招商銀行(8%) |
上証180指数 SSE 180 Index |
貴州茅臺(8%)、中國平安(8%)、招商銀行(5%) |
深証100指数 SZSE 100 Index |
五糧液(7%)、美的集團(6%)、寧德時代(5%) |
深証中小板指数 SME Index |
立訊精密(7%)、海康威視(5%)、比亞迪(5%) |
滬深300指数 CSI 300 Index |
貴州茅臺(5%)、中國平安(5%)、五糧液(3%) |
CSI 500中小型株指数 CSI 500 Index |
陽光電源(1%)、華測檢測(1%)、華魯恒升(1%) |
富時中国A50指数 FTSE China A50 Index |
貴州茅臺(3%)、中國平安(2%)、招商銀行(2%) |
富時中国A150指数 FTSE China A150 Index |
三一重工(3%)、京東方A(2%)、 長春高新(2%) |
MSCI中国指数 MSCI China Index |
阿里巴巴(14%)、騰訊(14%)、美團點評(4%) |
MSCI中国ストック・コネクトA株指数 MSCI China A Inclusion Index |
貴州茅臺(6%)、五糧液(3%)、中國平安(2%) |
MSCI中国外資自由投資50指数 |
阿里巴巴(20%)、テンセント(20%)、美團點評(5%) |
各指数のセクター構成比較
次にこれまで紹介した指数のセクター構成比較を一つにまとめたグラフを載せます。こちらの図で各指数の構成セクターの特徴が視覚的・直感的に分かるかと思います。
- 上海市場(上証50指数、上証180指数):金融
- 深圳市場(深証100指数):情報技術、生活必需品、一般消費財、ヘルスケア、資本財が満遍なく大
- 深圳市場(深証中小板指数):情報技術
- 上海+深圳市場(CSI 300指数):上海・深圳のミックスだが上海色強い=金融大
- 上海+深圳市場(CSI 500中小型株指数):上海・深圳のミックスだが金融小。深圳中小株の存在大
- 中国全土(MSCI中国指数):一般消費財
- 中国全土(MSCI中国ストック・コネクトA株指数):深圳中小(CSI 500中小型株指数)に近い比重
まとめ
- 台湾の証券取引所に上場している中国株ETFを紹介
- これらETFのターゲットとなる中国株指数を紹介
- 金融セクター色の強い上海市場ETFを買うなら、元大上證50(006206)、富邦上証(006205)
- 中国国内のニューエコノミーに投資するなら、富邦深100(00639)、群益深証中小(00643)
- 中国国内A株全体に分散したいのであれば、元大寶滬深(0061)、FH滬深(006207)、富邦中証500(00783)、国泰中国A50(00636)、国泰中国A150(00743)
- ADR、及び香港市場に上場する中国企業を含むETFを買いたい場合は、台新MSCI中国(00703)、元大MSCI A股(00739)、中信中国50(00752)
- バイドゥ、アリババ、テンセントを含むETFを買うなら、台新MSCI中国(00703)、中信中国50(00752)
各々の指数に採用されている銘柄の紹介・分析については今回の記事では省略しました。
(記事がかなり長くなるので(笑))
追い追い紹介・分析していこうと思います。
今回の記事では、各市場(もしくは指数)の特徴を理解していただければ十分かと思います。
では、この辺で。
拜拜~
結局辿り着く先はこれなのか?米国フィラデルフィア半導体株指数連動型ETF《国泰費城半導体》
台湾株式投資ブログということでこれまで台湾の個別銘柄・ETFを紹介してもらいましたけど、思ったんです!
僕のポートフォリオ、台湾ハイテク比率が高すぎる_:(´ཀ`」 ∠):
確かに僕の大好物はハイテクですけど、偏りすぎて不健康かなあと、、、、
そもそもハイテクセクター集中投資と言ってる時点で破綻してんで(笑)
そう言わずになんかないんですか〜
(そんなド○えも〜んみたいな感じで言われても困んねんけどな、、、)
台湾以外の半導体銘柄も組み入れたいのでしたら「フィラデルフィア半導体株指数」とかどうですか?
半導体セクター大好きなたいかぶくんの口に合うと思います。
フィラデルフィア半導体株指数?(・。・)
更新履歴
- 2022年4月23日:サムネイル更新
- 2021年7月24日:タグ更新
- フィラデルフィア半導体株指数とは
- フィラデルフィア半導体株指数連動型ETF:国泰費城半導体
- 直近1年では台湾ハイテク指数に劣るパフォーマンスだが…
- フィラデルフィア半導体株指数ETF商品一覧
- 最強のETF?:SOXL
- まとめ
フィラデルフィア半導体株指数とは
フィラデルフィア半導体指数(フィラデルフィアはんどうたいしすう、英語: PHLX Semiconductor Sector Index)またはフィラデルフィア半導体株価指数は、アメリカ合衆国の株価指数。SOX指数とも呼ばれる。NASDAQ OMX PHLX(英語版)(旧・フィラデルフィア証券取引所)が算出、公表している。
半導体の設計・製造・流通・販売を行う企業30社で構成される。1993年12月1日を基準日とし、その日の基準値を100として算出する時価総額加重平均型株価指数である。
〔中略〕
IT産業の先行き景況感を示す代表的指数として世界的に参照されている。
― Wikipedia より
Intel、AMD、Qualcommのような世界的な米国半導体企業で構成するなんとも旨みが詰まったパックなんですよね。TSMC、ASML、NXP等の非米国企業も構成銘柄に採用されていて、正に世界的な半導体企業の寄せ集めなんです。
半導体各分野のトッププレイヤーを集めたチームみたいなもんよ。
フィラデルフィア半導体株指数連動型ETF:国泰費城半導体
実は一昨年、台湾証券取引所にETFが上場したんですよね。
基本情報
名称 | 米国PHLX半導体証券投資信託ファンド |
---|---|
略称 | 国泰費城半導体 |
銘柄コード | 00830 |
上場日 | 2019年5月3日 |
ターゲット指数 | 米国フィラデルフィア半導体株指数(SOX指数) |
ファンド規模 | 10.64億TWD*1 |
単元株数 | 1,000株 |
管理費 | 30億TWD以下:0.45% 30億TWD ~ 100億TWD:0.40% 100億TWD超:0.35% |
保管費 |
50億TWD未満:0.11% |
- 管理・保管費が高いように感じる(国内ETFの富邦科技(0052)と比べて)
- 富邦科技(0052)の管理費:0.15%、保管費:0.035%
株価推移
構成銘柄
以下、構成銘柄の比重トップ10になります。
企業名 | ティッカーシンボル | ウェイト |
---|---|---|
Broadcom | $AVGO | 7.68% |
Intel | $INTC | 7.51% |
Qualcomm | $QCOM | 7.36% |
Texas Instruments | $TXN | 7.25% |
NVIDIA | $NVDA | 6.93% |
TSMC | $TSM | 4.35% |
Micron Technology | $MU | 4.29% |
Applied Materials | $AMAT | 3.99% |
Lam Research | $LRCX | 3.95% |
Analog Devices | $ADI | 3.89% |
(國泰投信より2021年1月7日時点のデータ)
直近1年では台湾ハイテク指数に劣るパフォーマンスだが…
1年パフォーマンス
- 青線:フィラデルフィア半導体株指数連動型ETF「国泰費城半導体」:+48.73%
- 赤線:台湾ハイテク指数ETF「富邦科技」:+67.72%
5年パフォーマンス
- 青線:フィラデルフィア半導体株指数:+389.02%
- 赤線:台湾ハイテク指数ETF「富邦科技」:+236.34%
ETF(国泰費城半導体)は2019年上場なのでSOXで代用
- 直近1年で比較すると台湾ハイテク指数ETFの方が良いパフォーマンス
- 長期で見ると(5年間)、フィラデルフィア半導体株指数ETFが圧倒的に強い
構成銘柄・パフォーマンス共にめちゃくちゃ魅力的なんですけど🥺
フィラデルフィア半導体株指数ETF商品一覧
本記事では台湾の証券取引所に上場しているETF「国泰費城半導体(00830)」を紹介しました。ついでにアメリカの証券取引所で取り扱っているETF商品も載せておきますね。SOXX、SOXLは一度耳にしたことある方も多いのではないかと思います。
商品名 | シンボル |
---|---|
Cathay U.S. PHLX Semiconductor Sector ETF | 00830 |
Direxion Daily Semiconductor Bull 3X Shares | SOXL |
Direxion Daily Semiconductor Bear 3X Shares | SOXS |
BlackRock SOX Index ETF (SOXX) | SOXX |
最強のETF?:SOXL
巷には「SOXL」というレバレッジ3倍のフィラデルフィア半導体株指数ETFも存在しています。5年パフォーマンス+800%以上というバケモノです。興味あれば調べてみて下さい。
レバレッジ3倍...(((( ;゚Д゚)))ガクガクブルブル
これが最強・最高火力のETFやろうな。
まとめ
- 米国フィラデルフィア半導体株指数に連動するETF「国泰費城半導体(00830)」の紹介
- 国内ETFと比べると管理・保管費が高め
- リターン率に関しては文句なし
- 直近1年で比較すると台湾ハイテク指数ETFの方が良いパフォーマンス
- 5年間で見るとフィラデルフィア半導体株指数ETFが強い
以下最新版のSOX指数記事です。最新情報がほしい方は是非こちらを読んで見てください。
最後に一つ言わせてくれ。
どうかしましたか?(・。・)
たいかぶがフィラデルフィア半導体指数ETFを買ったところで、お前のハイテクセクターへの偏りは一層強まんで(笑)
終
制作・著作
━━━━━
ⓃⒽⓀ
では、この辺で。
拜拜~
*1:2020年11月運用レポートより抜粋
【台湾ハイテクセクター動向】台湾ハイテク指数構成銘柄の2020年パフォーマンス上位勢を見てみる
今年はどのハイテク銘柄に投資しようかな〜
台湾ハイテク指数採用銘柄の2020年パフォーマンスを参考材料にしてみたら?
確かにそれよいかもしれないですね。
更新履歴
- 2022年4月23日:サムネイル更新
- 2021年7月24日:タグ更新
- まずは台湾ハイテク指数から見てみよう
- 台湾ハイテク指数連動型ETF「富邦科技(0052)」も見ときましょう
- 台湾ハイテク指数をアウトパフォームした構成銘柄たち
- コロナ特需で絶好調なファウンドリビジネス:UMC(聯電)、TSMC(台積電)
- ついにQualcommを抜きチップ市場シェアNo.1へ:MediaTek(聯發科)
- コロナ影響下で高まるゲーミングパソコン需要:GIGABYTE(技嘉)、MSI(微星)
- まとめ
まずは台湾ハイテク指数から見てみよう
指数チャート(2020年の1年チャート)
パフォーマンス(2020年12月31日時点)
- 1年リターン:+59.16%
- 3年リターン:+128.95%
相変わらずのハイパフォーマンスですわ。
台湾ハイテク指数連動型ETF「富邦科技(0052)」も見ときましょう
株価チャート(2020年の1年チャート)
後述します。
パフォーマンス(2020年12月31日時点)
- 1年リターン:+52.6%
- 3年リターン:+109%
台湾ハイテク指数をアウトパフォームした構成銘柄たち
と、まあベンチマーク側のパフォーマンスを紹介したあたりで、次に本元をアウトパフォームした構成銘柄を紹介していきます。
ちゅどーん
銘柄名 | 銘柄コード | 株価 (TWD) | 1年リターン | 3年リターン |
---|---|---|---|---|
聯電 UMC |
2303 | 47.15 | +187% | +232% |
群創 Innolux |
3481 | 14.1 | +69.3% | +13.7% |
聯發科 MediaTek |
2454 | 747 | +68.4% | +154% |
瑞昱 Realtek |
2379 | 390.5 | +66.2% | +258% |
聯詠 Novatek |
3034 | 369 | +65.8% | +225% |
台積電 TSMC |
2330 | 530 | +60.1% | +131% |
技嘉 GIGABYTE |
2376 | 77.8 | +56.5% | +44.1% |
景碩 KINSUS |
3189 | 80.9 | +56.2% | +49.3% |
微星 MSI |
2377 | 132.5 | +52.8% | +73% |
株価は2020年12月31日終値
- UMC(聯電)
- Innolux(群創)
- MediaTek(聯發科)
- Realtek(瑞昱)
- Novatek(聯詠)
- TSMC(台積電)
の6銘柄が台湾ハイテク指数の1年リターン(+59.16%)を上回りました。
さらに、
- GIGABYTE(技嘉技嘉)
- KINSUS(景碩)
- MSI(微星)
を加えた計9銘柄が台湾ハイテク指数ETF「富邦科技」の1年リターン(+52.6%)を上回りました。
台湾ハイテク指数採用銘柄は30銘柄程度あるので、約3分の1の銘柄が本元の指数をアウトパフォームしていることになります。
2020年初来チャート(台湾ハイテク指数ETF vs 上位5銘柄)
視覚的に分かるようにチャートも載せておきますね。
UMC(聯電)がぶっちぎりでパフォーマンスが良く、その他4銘柄は大体+60%強というところです。といってもUMC以外はETFを大きくアウトパフォームしているわけではないので、やはりこのETFに投資するだけでかなりのリターンを見込めますよね。
次にアウトパフォームした強者たちの中で、気になった銘柄・分野について軽くコメントしていきます。
コロナ特需で絶好調なファウンドリビジネス:UMC(聯電)、TSMC(台積電)
2020年後半に怒涛の上昇を見せたのはUMC(聯電、銘柄コード:2303)でした。先ほどのチャートを見てもわかると思いますが、秋以降の伸びがすごい。
以前UMC関連情報のまとめツイートをしていたので引用します。
SMICとバッティングする台UMCは
— たいかぶ@🇹🇼台湾株投資 (@taikabu0) December 21, 2020
・年初来で188%上昇(株価が18年ぶりに高値更新)
・先日東芝の8インチファブ買取報道あり
・台湾南部の12インチファブ拡張発表(2021年予定)
→SMICから流れてくる顧客は多いのかなと🐻
→将来への投資もしている🐻 https://t.co/ZksQA8cINq
- 2020年初来リターンは約+180%(18年ぶりに高値更新)
- 東芝の8インチファブ買取報道
- 台湾南部の12インチファブ拡張発表(2021年予定)
200mm口径ウエハに関しては確実に受注するために値下げすることが慣例となっていたらしいのですが、ファウンドリの生産能力不足により2021年は値上げに踏み込むとのことです。
製造依頼が殺到して競争入札になる可能性も示唆していますね。
2021年の業績も期待してよさそうですね。
個人的な見立てとしては
- 5G・オートモーティブ・在宅ワーク等のホットテーマ需要
はもちろんのこと
- 米中ハイテク戦争の先行きの不透明さにより、メーカーが意図的に在庫を多く持っている
状況もあるのかなとも考えています。HUAWEIによるTSMCへの駆け込み受注のような感じで、他の中国メーカーもいつ突然アメリカに目を付けられるかわからないですからね(笑)
ついにQualcommを抜きチップ市場シェアNo.1へ:MediaTek(聯發科)
MediaTek(聯發科、銘柄コード:2454)がQualcomm(ティッカーシンボル:$QCOM)を抜いてモバイル向けChipsetの世界シェアNo.1になりました(2020 Q3のみ)。
モバイル向けChipsetの世界シェア2019Q3 vs 2020Q3
— たいかぶ@🇹🇼台湾株投資 (@taikabu0) December 26, 2020
(2019Q3:内側、2020Q3:外側)
台MediaTekが米Qualcommを抑えて世界シェアNo.1へ(2020年第3四半期のみ)
2020Q4は米Qualcommが1位へ返り咲く模様https://t.co/xqx58FZMwG pic.twitter.com/rETG6rRfJC
市場調査会社Counterpointによると、MediaTek製チップの強さの要因として
- ミドルレンジスマホ向けにおけるMediaTek製チップのパフォーマンス優位性
- アフリカ、中東、ラテンアメリカ市場の急速な成長(下グラフ参照)
- HUAWEI締め出しによるOEMメーカー(Xiaomi、Honor(HUAWEIのブランド))からの受注増加
を挙げています。
(Counterpoint出展)
ただ2020 Q4はQualcommが再び首位へ返り咲くと予測されています。
理由としては
- 5G通信対応スマホの割合が販売スマホ全体に対して大きく占有するようになる。
- ⇒5G向けSoCで先行しているQualcomm有利
ということですね。
いずれにしても今後も注目しています。
コロナ影響下で高まるゲーミングパソコン需要:GIGABYTE(技嘉)、MSI(微星)
コロナ特需に沸くファウンドリビジネスもそうですが、こちらも同じく好影響を受けているパソコン市場ですね。
英SAFEBETTINGSITESの調査結果によると、
2020年の合計出荷台数は前年比+16.2%
2020年は新型コロナウイルスの影響でロックダウンや外出自粛が相次ぎ、自宅のエンターテインメント市場が大きく拡大。そのなかで世界的にもゲーミングパソコンの需要も高まっており、ゲーミングノート、ゲーミングデスクトップ、ディスプレイの合計出荷台数は4,960万台に達し、前年比16.2%増という急成長を遂げた。このうちゲーミングノートは2,230万台、ゲーミングデスクトップは1,480万台。
2024年までには更に+25%予想
2021年以降も需要拡大が続き、2024年にはゲーミングノートは3,020万台、デスクトップは1,580万台、ディスプレイは1,600万台規模の市場になるとしている。
まとめ
- 台湾ハイテク指数の2020年パフォーマンスは+59.16%
- 連動するETF「富邦科技」の2020年パフォーマンスは+52.6%
- 指数構成銘柄の内、9社が本元指数(もしくはETF)をアウトパフォーム
- 中でも目立つのは、
- コロナ特需で絶好調なファウンドリビジネス:UMC(聯電)、TSMC(台積電)
- ついにQualcommを抜きチップ市場シェアNo.1へ:MediaTek(聯發科)
- コロナ影響下で高まるゲーミングパソコン需要:GIGABYTE(技嘉)、MSI(微星)
台湾ハイテク指数とそのETF「富邦科技」について気になった方は以前の記事を読んでみて下さい。
では、この辺で。
拜拜~
【台湾ADR紹介】TSMC / UMC / Himax等々、ADRで取引可能な台湾企業
こんにちは、たいかぶ(@taikabu0)です。
台湾には優良で成長性のある企業が多く存在しますが、台湾国外に住んでいると台湾の株式を購入するのはなかなか難しいかと思います。
今回はアメリカの証券取引所に上場している台湾企業のADRを紹介します。
空前の米国株ブームの今、新興国の一つ、台湾も候補にどうぞ。
更新履歴
- 2022年4月23日:サムネイル更新
- 2021年7月24日:タグ更新
- 2021年4月28日:$ASX、$UMCと$IMOSに関連記事リンク追記
- ADRで取引可能な台湾企業一覧
- 台積電(TSMC):$TSM
- 鴻海(Hon Hai):$HNHPF
- 日月光(ASE):$ASX
- 慧榮(Silicon Motion):$SIMO
- 奇景光電(Himax):$HIMX
- 聯電(UMC):$UMC
- 和信(GigaMedia):$GIGM
- 中華電信(Chunghwa Telecom):$CHT
- 南茂科技(ChipMOS):$IMOS
- 旭明光電(SemiLEDs):$LEDS
- 亞太電信電纜(Asia Pacific Wire & Cable):$APWC
- 台灣國際航電(Garmin):$GRMN
- まとめ
ADRで取引可能な台湾企業一覧
ティッカー シンボル |
企業名 | 株価 (USD) |
---|---|---|
$TSM | 台積電 TSMC |
109.04 |
$HNHPF | 鴻海 Hon Hai |
6.63 |
$ASX | 日月光 ASE |
5.84 |
$SIMO | 慧榮 Silicon Motion |
48.15 |
$HIMX | 奇景光電 Himax |
7.39 |
$UMC | 聯電 UMC |
8.43 |
$GIGM | 和信 GigaMedia |
3.22 |
$CHT | 中華電信 Chunghwa Telecom |
38.62 |
$IMOS | 南茂科技 ChipMOS |
24.35 |
$LEDS | 旭明光電 SemiLEDs |
3.6 |
$APWC | 亞太電信電纜 Asia Pacific Wire & Cable |
2.22 |
$GRMN | 台灣國際航電 Garmin |
119.66 |
株価は2020年12月31日の終値
台積電(TSMC):$TSM
半導体ファウンドリの世界最大手です。
以上!(笑)
特別何か言うことはないかと(笑)
テキトーすぎません?ww
サクッと進めな後ろが控えてん。
鴻海(Hon Hai):$HNHPF
シャープ買収の件で知っている方も多いと思いますが、EMS世界最大手の企業です。
日月光(ASE):$ASX
半導体後工程受託製造の世界最大手です。
以前まとめた記事載せておきます。
慧榮(Silicon Motion):$SIMO
SSD、USB、Micro SD等のストレージ製品に搭載されるNAND Flash向けコントローラICの開発、設計、販売を手掛けている企業です。
台湾にはNAND Flash向けコントローラICの開発・設計を行う企業が大小含め多いですが、Silicon Motionはその中の大手ポジションです。
奇景光電(Himax):$HIMX
ディスプレイ向けICの開発・設計を行う企業です。
聯電(UMC):$UMC
TSMCと並ぶ台湾の大手ファウンドリ企業です。
台湾最大の産業技術研究開発機構ITRI(工業技術研究院(略称:工研院))からスピンオフする形で設立した台湾国内最初の4インチウェハ製造企業です。
ちなみに、モバイル向けSoC大手のMediaTekはUMCからスピンオフして設立した会社です。
それとちょっと前までDRAM関連でMicronと裁判沙汰になっていましたね。
SMICとバッティングする台UMCは
— たいかぶ@🇹🇼台湾株投資 (@taikabu0) December 21, 2020
・年初来で188%上昇(株価が18年ぶりに高値更新)
・先日東芝の8インチファブ買取報道あり
・台湾南部の12インチファブ拡張発表(2021年予定)
→SMICから流れてくる顧客は多いのかなと🐻
→将来への投資もしている🐻 https://t.co/ZksQA8cINq
以下、関連記事なので参考にして下さい。
和信(GigaMedia):$GIGM
オンライン娯楽ソフトウエアサービス会社です。麻雀や各種カード、テーブルゲームを含むカジノカジュアルゲーム等。
中華電信(Chunghwa Telecom):$CHT
台湾の通信サービス会社です。日本でいうところのNTT的ポジションです。
南茂科技(ChipMOS):$IMOS
バックエンドのテスト・パッケージングソリューションを提供する会社です。
ちなみに前述したASEはChipMOSの大株主です。
以下、関連記事なので参考にして下さい。
旭明光電(SemiLEDs):$LEDS
LEDチップとLED部品の開発、製造、販売を手掛けている企業です。
亞太電信電纜(Asia Pacific Wire & Cable):$APWC
銅線と光ファイバー等の電気通信製品、並びに電力ケーブル、エナメル線及び電子線製品の製造・販売を行う企業です。
台灣國際航電(Garmin):$GRMN
GPS搭載機器や、その他ナビゲーション、通信、および情報製品の設計、開発、製造、販売を手掛けている企業です。
生産設備を持つ子会社が台湾にあります。
まとめ
どうですか?台湾企業
正直TSMCホルダーは多いかと思います(Twitterでよく見かけます)。
いきなり個別株は、、、という方は台湾ETFもありだと思います。結構パフォーマンス良いと思いますよ。
では、この辺で。
拜拜~